体育祭で、ひときわギャラリーが集まっている場所があった。 体育館で行われているバスケの試合だ。
「晋也センパーイ!がんばってー!」
「晋也くんいけるよー!」
聞こえてきた見知った名前に、朱音は足を止める。
朱音がやっていたドッジボールは、早々に負けてしまった。やることもないから、まだ勝ち残っている同じクラスの競技の応援に行こうと、友人と歩いていたところだった。
「晋也先輩人気だね」
「……うん」
「ま、顔はめっちゃいいからねえ。よく知らない人には王子様に見えるでしょうね」
鼻で笑う友人に、朱音はつい苦笑してしまう。
「私からしたら、初恋返せってカンジですけど」
「あはは……」
「兄貴の試合みたいんでしょ?行ってきていいよ」
「あ、ありがとう……!」
「相変わらずブラコンだねえ……あんだけ溺愛されてりゃ、そうなるか」

じゃあね、と去って行く友人に手を振って、朱音は人だかりの中に入って行く。
体育祭でバスケを選択している人は、基本的に目立つ人ばかりだ。それは学年が上でも変わらない。
その中でもいちばん目立っているのは兄の晋也だと、朱音はつい見惚れる。
(お兄ちゃんかっこいい……)
流れる汗は光輝き、クラスTシャツの裾から覗いた腹筋は見事だ。
学校のミスターに二年連続で選ばれ、おそらく今年も選ばれるであろう伝説の男。
そんな人が自分の兄だなんて、とても誇らしい。
けれど。
(わたしは地味だもんなあ……)
真っ黒な髪に地味な顔立ち。特徴は目元の泣きぼくろくらい。
髪を染めてみようかとも考えたが、似合わなそうでやめた。
自分が妹だなんて知られたら、兄がいやな思いをするのではないかと、朱音は学校で兄に話しかけないように気をつけていた。
しかし、晋也はちがう。
「えっ!?今こっち見て手振ってくれた!?」
「うっそ、なんで!?いつも塩対応なのに!」
「しかも晋也君ちょっと笑ってなかった!?めずらしい!レアスマイル!」
ざわつく周囲に、朱音はこっそりとその場を離れる。
(お兄ちゃん……手なんて振らなくていいのに)
赤くなった頬を隠しながら、朱音は熱を冷まそうと人気のない倉庫に向かった。
*
朱音。
やさしい声。
朱音。
お兄ちゃん?
「起きろ、朱音」
「うわぁっ!」
整った顔がいきなり至近距離で現れ、驚いて飛び起きる。
「こんなところで寝るなんて……危険すぎる」
「あ……倉庫で寝ちゃったんだ……ごめんね、お兄ちゃん」
「疲れてたんだろ。でも、眠いなら声をかけてくれれば付き合ったのに」
「いいよ、試合してたし」
「そんなのよりおまえのほうが大切だ」
「……もう、お兄ちゃんったら」
照れくさくて苦笑すると、晋也は腕を広げた。
「おいで」
「…………わたし汗くさいかも」
「いいから」
「う~ ……」
ぽすっと兄の胸に額をつける。すると、すぐさまぎゅっと強く抱きしめられた。
「やっと触れた……家までもつか不安だった」
「もつって……なにが?」
「朱音不足で電池切れ」
「ふふ……なにそれ」
「朱音……」
「あ……っ、お兄ちゃん……だめだよ……」
「もう限界」
ちゅ、ちゅ、と首筋に口付けられ、朱音はぴくん、と震える。
「あ……だめだってばぁ……!」
「ん……朱音可愛い」
「ン……んんん……ッ」
キスをされ、慣らされた体はつい応えてしまう。
クチュクチュと音を立てながら舌を絡め、気持ちよさに酔いしれる。
その間に、朱音のクラスTシャツの中に晋也の手が入り込み、ブラジャー越しに発育途中の胸を揉まれた。
「んあ……あ、ああっ、お兄ちゃあん……!」
「朱音……可愛い……本当に可愛い……」
「あっ、そこだめ、だめだよぉ……おうちじゃないのに……」
「大丈夫……誰もこないように鍵かけたから」
用意周到な晋也は余裕のない笑みを浮かべ、朱音を少し埃っぽいマットの上に押し倒した。
「下、脱がすよ」
「あ……だめなのに……」
「ああ……朱音のおまんこ可愛すぎ……。奥までとろとろなんじゃない?慣らさなくても挿入りそう……」
「あん!……なか見ないでぇ……!恥ずかしいよ、お兄ちゃん……」
「こんなに可愛いのに……ここ開いてさ、写真撮りたいな……」
「だめだめだめぇ……っ!そんなことしたらもうお兄ちゃんとしないもん……!」
「それはやだ。朱音がだめって言うなら絶対にしないから……な?続きいい?」
不安そうに見つめられ、朱音はこくんと頷く。 脚を自分から開き、人差し指と中指でびらびらを左右に分ける。
「は、はやくシて終わらせよう……?ここじゃあ誰か来そうで……なんだか落ち着かないよ……」
「朱音……!」
「ああ……!お兄ちゃん……!」
クリトリスに吸い付き、晋也は朱音の膣に指を二本突き挿して掻き混ぜる。
「あん!あ、あ、あ……ッ、いやあ……ひゃああ!」
「朱音、朱音、朱音……!」
「あうう……あんあんあんっ、あ、はやい……ああっ、お兄ちゃん……はやいよぉ……」
「はやく繋がりたい……もう少し我慢して……」
「あー!イっちゃうよぉぉ……!お兄ちゃん……!あかねのおまんこイっちゃいそうだよぉ……!だめぇ!あーーーー!あああ~~~~!」
「ああ、俺ももう無理……」
挿入るよ、と声をかけられ、すぐに太いものが押し入ってくる。
「お、おにいちゃ……はいってぇ……ああん……ひろがっちゃうう……」
「は……朱音の、おまんこは……もう、俺の形、覚えたろ……?くっ……」
「アアアアン!」
ドチュ!と奥まで挿入され、朱音は高い声で喘ぐ。
「朱音……ッ、朱音、朱音……!俺の朱音……かわいい……ッ、俺の……う……っ、俺の朱音……!」
「アッアッアッあああ~~~!あう!はげし……あん!あん、あん、あん!」
ガツガツと腰を叩きつけられ、朱音は気持ちよさに涙を流して喘ぎ、悶える。
「イく……!おにいちゃんあかねイっちゃう……ふぁああん!」
「いいよ……ッ、朱音のおまんこ気持ちよすぎて……っ、俺もイキそ……!」
「おにいちゃ、おにいちゃん……!あー!ああん!あっ、ダメ、だめぇええ、イく!おまんこイく!おまんこイっちゃう!あ、あ、あ………んあああああああ!」
「……く……ッ……!」
きつい締め付けに耐え切れず、晋也も朱音の中で果てる。
しばらく荒い呼吸を整えていたふたりだが、朱音よりも晋也のほうが復活ははやかった。
滲んだ汗を拭った彼は、はふはふと呼吸している妹の髪に口づけ、「愛してるよ、朱音」と囁いた。

コメント